導入実績

御茶ノ水 十月屋

御茶ノ水 十月屋

神田駿河台と明大通りを繋ぐ駿河台道灌道は、室町の武将太田道灌に所縁のある地として知られており、当時の道灌が病に伏した娘のために祈願したという太田姫稲荷神社が社を構える歴史ある道だ。その道沿いには駿河台匂という遅咲きの桜が植わっている。この地が発祥という桜の木を横目に一本の路地へ入ると、そこに現れるのが『そば処 十月屋』だ。

なによりも一番大事なのはお蕎麦が美味しいこと

店主の内田様は立ち食いそば店で働いていた経験があり、格式高い落ち着いた雰囲気のお蕎麦屋よりも、どこか温かい賑やかなお店を目指そうと考えた。「お財布に優しい価格でお腹いっぱい食べられる」、そして「元気な声でお客様をお迎えする」そんなコンセプトの蕎麦屋だ。

ラーメン屋の居抜きから木造りの店構えはそのままに、奥様がデザインしたという看板を大きく出すことで新規開業をアピール。また、内装の良いところを残しつつ、天井と内壁をアースカラーのクロスに張り直したことで、全体的に温かみのある雰囲気に統一されている。

御茶ノ水にはビジネスマンを始め、明大通りからは学生が訪れ、近くを通る靖国通りや少し離れた秋葉原ではサブカルチャーを求める若者等たちで賑わっている。そんな多様な客層に対応するべく、『十月屋』は実に豊富なメニューを取り揃えている。コロナの情勢により、平日のピーク時を除いて「ワンオペ」の営業スタイルであるにも関わらず、品目は30品にも上る。定番のメニューであるカレーそばや肉そば、丼ものを堅実に揃えているかたわら、盛りそばには大盛りを超える極み盛りを用意するといった遊び心まで見せてくれる。サイドメニューにもお蕎麦屋では珍しいだし茶漬けを採用したり、朝そばをはじめるなど、立ち食いそば店で培ったバイタリティの高さが発揮されている。

そんな数多くのメニューを支えているのはもちろん、お蕎麦の美味しさだ。内田様が食べ比べて選んだ秋田県産の蕎麦粉で作る二八蕎麦と、こだわり抜いた甘みの強い汁、ボリューミーで満足感のある丼ものとのセットで、着実にファンの胃袋を掴んでいる。

そのお蕎麦の製麺に使われているのが【押出製麺機めんつる】だ。「誰でも使えるし特別な知識がいらないから、シンプルでとても良いと思う」。製麺機自体は注文を受けたときにレバーを下げるだけで、カップの中に入れた生地が押し出される仕組みだ。その生地も、専用の多加水ミキサーを使えば、手打ちの知識や技術がなくても簡単に作れる。「うちは毎日朝の仕込みで粉2kg、営業中か夕方に1~2kg回している。2~5分あれば生地ができあがるので、必要な時はその時々で小まめに回せば作りすぎることがない」。必要分を見極めればロスを削減できる上、原価の管理もしやすくなる。


富士工業所にできること


今回、厨房機器のご提案以外にも及ばずながらご助力させて頂いた。内田様は物件の選定のため、人形町、田町、御茶ノ水の3件の内見を行ったが、いずれも担当営業が同行している。二人三脚で一件ずつ精査し、現在の物件に決定した。御茶ノ水は人の行き交いも期待できるし、店舗の設備も十分、かつ店構えも内田様の好みに合っていたのが決め手になった。

弊社は工事前に現場を調査し、レイアウトを作成している。昨今の情勢により飲食店が活用できる補助金制度は数多く実施されており、そういった施策の申請に必要な図面の作成の他、相見積の取得など万全のバックアップ体制をとっている。

居抜きで契約された今回の店舗は、茹で釜をはじめとした多くの厨房機器が残されていた。予算や設備に合わせたレイアウトを提案したことで、ほぼすべての機器を流用し、工事費用を大幅に抑えている。【押出製麺機めんつる】も専用のポールを茹で釜の側面に取付けたことでクリアしている。そうしたイメージを早期に視覚化して共有することで、打合せをスムーズにできる。

蕎麦粉の仕入れについても弊社から製粉会社をご紹介した。打合せの際、試食には弊社のショールームをご提供し、秋田、群馬、福島と複数の産地の粉をご納得がいくまで食べ比べて頂いた。さらにその製粉会社も【押出製麺機めんつる】の特徴をよく理解されているため、効果的な提案をすることができる。

『十月屋』で内装を一部リニューアルしたニチメンデザインは、主に店舗のデザイン・施工を手掛けている。厨房の設計・施工を行う富士工業所とニチメンデザインはグループを形成しており、飲食店の開業に向けたトータルプランニングが可能である。施主は複数の業者をハンドリングする手間が省け、より店舗の経営戦略に時間を割くことができるだろう。


『そば処 十月屋』はコロナ禍に営業をスタートさせながら、着実に常連客を増やしていっている。お蕎麦が美味しいのはもちろんのこと、お店の雰囲気や店主の人柄までお店選びの基準になる昨今においては、より厳しくなっているその眼鏡にも適っているということだ。「御茶ノ水で蕎麦といえば『十月屋』」そう呼ばれるようになる日が待ち遠しい。

主要機器

店舗情報

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